“RE-LAX DESIGN WORKS タクビトモオの Design Holic な日々”

'09 お世話になりました。


2009年もあとわずかとなりましたが,みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
弊社は本日、大掃除を終え、名ばかりの仕事納めをいたしましたが、社内はまだまだスローダウンすることなくフル操業しております。

私にとって2009年は例年になく瞬く間に過ぎていったように思います。2009年は建築デザインを主として活動してきた弊社が長年に渡り多くの商業施設や住宅などの物件と関わる中で蓄積したスキルを活かし、“クリエイティヴ・ディレクション”“デザイン・コンサルティング”という旗を掲げた年でした。“デザインとは?”“デザインになにができるか?”ということを改めて自問自答し、今まで以上により深く、より広い観点で捉えることで「デザインを武器に戦略的でクリエイティヴなコンサルティングを提供する。」ことを使命とした企業として新たなステージに立ちました。おかげさまで、多くのプロジェクトに恵まれグラフィック・WEB・建築のどのセクションも大忙しの本年後半でありました。


“デザインのちから”を自ら提言しながらも、多くの案件に出会う度に“デザイン”というものがビジネスシーンで、どれほど重要であるかということを痛感させられた年でもありました。単にビジュアルを満たすだけの“モノづくり”としてのデザインではなく、多くの人を幸せにできる“コトづくり”としてのデザインを今後も提供してゆけますようスタッフ一同精進してまいります。


末筆ながら本年も多くの方々に大変お世話になりましたこと御礼申し上げます。みなさまにはよいお年をお迎えいただけますよう、心よりお祈り申し上げます。

My Favorite + My Weak Subject

こんにちは♪あまりのご無沙汰ぶりに時の経つ早さに呆れ、自分のずぼらぶりに呆れているRE-LAX DESIGN WORKS 代表の田首です。朝夕はずいぶん肌寒く、すうかり秋めいてきました。そんな中早くも年末年始の心配を始めております私ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
決してネタがないわけではないのですが…どころか忙殺されている日々のネタに収集がつけられませんので、今回のブログネタは私の最近のお気に入りをご紹介しようと思います。
フランスのストレージ商品メーカー“ LaCie”…林檎づかいの方ならご存知ではないでしょうか?PORSCHEのデザインやSTARCKのデザインを採用するイケてるメーカーです。PC周辺機器も過去にくらべずいぶんとデザインちっくなモノが増えてまいりましたが、そんな中でもなかなか秀逸なデザインで、私は以前より超お気に入りで使っております。
最近、仕事でかかせなくなってきた“USBメモリー”…。WEB制作の現場などではクライアントとのやりとにかなり重宝しとります。少し前まではモバイルHDDを持ち歩いていたのですが、最近では携帯性のよさからUSBメモリーがメインとなっております。今回、購入した“LaCie imaKey USB Flash Drive”♪…コネクタ(Gold SIP)は防水・防傷加工が施されており、いつも持ち歩いているキーリングと一緒に持ち歩くことができます。容量も4GB・8GB・16GBと各種あります。常に携帯するためのUSBメモリーを“鍵”にしてしまったところが、目かウロコのデザインですね。いやー、ホント気に入ってます♪

LaCie社製品のデザインはイケてるのになぜか日本市場ではあまり売れてないそうで…外付けのHDDでは世界トップシェアを誇っているストレージ商品メーカなのに残念ながら国内シェアは同社全体の2%にとどまっているそうです。今回エレコムと協業することになったようですので、今までご存知なかった方々の目にふれる機会も増えると思います。
たしかにこのLaCieの製品、巷の量販店なんかではなかなか目にすることがなかったですね。Mac専門店や一部のPCショップで見かける程度でしたね。それに国内メーカー製品に比べると、デザインバリューの分、価格が高いこともシェアが伸びないひとつの原因なのでしょうか? このメーカーの製品、専門店のPCコーナーではなく、某デザイン家電のように巷のデザイン雑貨ショップ等での展開もすれば、もっと売上げは伸びた、と私は確信します。

“デザイン”を売る者としては「いかにパブリシティやプロモーションをするか」は常に課題なのです。いくら よいデザインをつくっても、人の目にふれない限りそれは創造主のマスターベーションで終わってしまいます。コンペやデザインフェス(展示会)などの機会も多くあるのですが、そこによいデザインを求めて集まる多くの人々は“大衆”ではなく、どちらかといえば“バイヤー”的な人々のように思います。プロダクトでも生産しない限り、なかなか多くの人々にデザインを見せるのは難しい作業です。
私自身、長い間“デザイン”を生業としてきましたが、多くのオファーが“口こみ”によるものです。“モノづくり”をする人間にとって“営業”はどちらかといえば得意ではないという人のほうが多いのではないでしょうか。
RE-LAX DESIGN WORKSでは私自身が手がける店舗・住宅~家具に至るまでの建築分野のデザイン、そしてあと2本の柱であるグラフィックデザイン・WEBデザイン…どのセクションもクオリティが高く、またクリエイターにありがちなお仕着せではなくクライアントの本当に望む“欲しい”デザインを叶える実力を持ち、またそれを“適正”なコストで提供できる、と自負しております。
今、我社も例外ではなくこの長引く不況の影響を受けていることは否めません。しかし不況だから仕方がないとは言ってられません。モノづくりを愛し、生き方として、それでメシを食っている連中がもちろん我社にもおります。私の仕事はクリエイティヴ・ディレクターでありデザイナーであり、大前提としてそんな彼らによりよい人生を送ってもらうための役目を預かった“経営者”なのです。

今、いかにして我社の秀逸なデザインを出来る限り多くの人々に触れてもらえるか…日々模索しながら営業に勤しんでおります。
もちろん“絶対欲しくなる”デザインを創りだすことにも余念はありません。
それではまた・・・Bye-by

残暑お見舞い申し上げます。


相変わらず、ご無沙汰です。RE-LAX DESIGN WORKS 代表の田首です。
皆さま、残暑お見舞い申し上げます。

今年はエルニーニョ現象のせいか、梅雨明けが遅く…私の住む京都(近畿地方)での梅雨明けは8月3日…史上、最も遅い梅雨明けとなったわけです。
本来なら“残暑お見舞い”の前に“暑中お見舞い”をするべきなのですが、通常“暑中お見舞い”とは「梅雨明け~立秋まで」とされておりまして、今年の立秋は8月7日…実質4~5日間のみの“暑中お見舞い”期間となってしまったわけですね。
エルニーニョの年は冷夏・大雨とされていますが、梅雨明け~夏本番…の途端、大雨に見舞われ各地で大きな被害が出てます。
自然現象もそうですが、国際情勢や政局・芸能界…果ては私の周囲の人々、マクロからミクロまで様々な方面で今年はほんとに大荒れです。これは“必然”なのか? 意識の“過渡期”なのか? 
極端な形で具現化してますね~。(恐)
それぞれが、それぞれの形で“問われて”いるのだと思っております。“かくあるべき”正しい姿になるための「行」みたいなもんではないでしょうか。
私も例外ではなく決して安穏とした状況ではなく、日々戦っております。“解夏”は必ずやってくると信じております。“今”が恐怖なのではなく“今”に向き合わないことこそが恐怖だと思うのですね。
…っと、なにやら説法じみたお話になってしまいましたが、…あ、ちなみ私、デザイナーを生業としておりますが、何故か高野山で得度いたしました僧でもありまして…(余談)

私自身も“向き合う”ため、今年前半は“デザイン・モノづくり”のことばりを考えてきた私が最も苦手としております営業活動に力を注いでまいりました。おかげさまで多くの方々と出会うことができ、多くを学ばさせていただくことができ、収穫をたくさん得ることができました。
スタッフ・キャストも充実し、店舗・住宅・家具などの建築デザインを主としてまいりました当社は、WEBデザイン・グラフィックデザイン・イラストレーション等のスキルを身につけたことで、ソフトからハードまでのコンセプトワークから制作・実現までをワンストップで行えることを武器に「クリエイティブディレクション」にますます力を注ぎ、一層の努力を決意しております。
実績は弊社ウェブサイトにて随時アップしてまいりますので、ご覧になっていただければ幸いです。

弊社の業務が皆さまの今後のご発展の一端を担うことができましたらこの上なく嬉しく思います。
なにかお役にたてそうなことがあれば、お気軽にお問合せ下さい。

今回はなにやら、とっても“営業”なブログとなりました。(苦笑)
皆さまには暑さ厳しき折柄、ご自愛のほどを…

Illustrator Asa × RE-LAX DESIGN WORKS at 京都イベリコ屋


すっかり暑くなり、もうすでに夏真盛りかと思わせる連日の猛暑ぶり…皆様はいかがお過ごしでしょうか。暑さに負けてなるものかと、少々バテ気味の身体に喝を入れるため、しばらくぶりの自転車にまたがろうと思ったのですが、あまりのブランクに少々気弱になりまずはバイク…にまたがる毎日です。知ってましたかー?バイクに乗ると前頭葉が活性されて認知機能がアップするって…。と、まあ脳トレを兼ね…車よりは燃費がいいだろうと、バイクに乗ってエコロジーに貢献しているつもりの筆者ですが、脳トレしているつもりが6月も終わろうとしていることに気がつかないというボケっぷりでして…久しぶりのブログとなります…。
6/12 に OPEN した“京都イベリコ屋”さんのグラフィックアプリケーションやウォールペイントをアートプロデュースという形でお手伝いさせていただきました。当社にデスクを置く新進気鋭の女性イラストレーター・ Asa のイラストが炸裂です。“イベリコ屋”さんは世界最高峰のイベリコ豚ベジョータ使用の専門店で神戸・大阪・東京などに FC 展開をしておられるのですが、“京都イベリコ屋”さんのオーナーさんのご要望でエントランスの階段スペースに“何か”を描くこととなりました。“何か”って、もちろん迷わず“黒ブタ”さんですよねー♪愛らしくて毒々しいヒップでキッチュな黒ブタ…それでいて女性オーナーのお店らしい上品な内装の雰囲気を壊さないをようグラフィカルに洒落たタッチで…と Asa にオーダー。…流石ですイラスレーター Asa ! 一発でイメージドンズバのヒップでキッチュな黒ブタキャラクターを誕生させちゃいました。 OPEN 前日より OPEN 時刻寸前の2日で90匹あまりの黒ブタキャラクター“イベリ子 + company ”を当社 Web Design Team スタッフ・ Sino との二人で描き上げました。デザイン事務所はこだわります!おそろいのツナギ姿での作業です。(笑)やはり“手描き”はよいものです。1匹1匹それぞれにそれぞれの個性があるように見えます。インクジェットプリントでは出せない味わいがあります。
ぜひ一度“京都イベリコ屋”さんの“イベリ子 + company ”に会いにいって下さい♪イラストレーターAsa × RE-LAX DESIGN WORKS のグラフィックは当社ウェブサイトでご覧になれます。( Coming Soon )
では、また…。暑ぃ。

「骨」展 in 21_21 DESIGN SIGHT


ここ数日間、東京での業務に出向いておりました。

スケジュールが少し変更になり、幸い時間ができたので、かねてより気になっていた東京ミッドタウン・ガーデン内21_21 DESIGN SIGHT で開催されている “「骨」展” に行ってきました。デザイナーとエンジニアの顔を持つ山中俊治氏ディレクションの「骨」「骨格」をキーワードに12組の作家が繰り広げる “ホネワールド” なのだが、これがなかなか面白い。さまざまな視点からのアプローチで “骨” を見せている。「骨」というと「BONE」を連想させるのだが、このインスタレーションはそれにとどまらない。あくまで “骨” という概念的なアプローチではなく、日頃、我々が普通に目にする “形” の下にある骨格の重要性、またその “骨” の持つ機能、そして “骨” の持つ可能性をテクノロジーを駆使し、インタラクティブな手法でそれぞれの作家達が表現している。

デイレクションされた氏の意図はわからないが、私は今、この時代においてとてもタイムリーなテーマではないかと思った。私は建築を主としたデザインを生業としているのだが、建物においても家具などを制作する際、その “骨” はクライアントの手に渡るときまったく見えなくなってしまっていることが多い。クライアントは表面のフォルムにこだわる。もちろんそれでよいのだが、実はその下に隠されている “骨” こそが重要であり、完成されたもののクオリティーの高さと “骨” をしっかりつくることは相乗していることをもっとクラアントである消費者達に知って欲しい。人の身体でも“骨”をしかるべき箇所にしかるべき姿で配置してやることで、体調やそのスタイルまでもが激変するといったことからもわかるように “骨” がいかに重要であるか知ってほしいと思う。このことはすべての “モノ・コト” にあてはまるように思う。建築物も例外ではなく “骨” をちゃんとつくってやることでまったく同じサイズの立方体をつくったとしても“ちゃんとつくっていない”ものとはフォルムの美しさに差がでる。もちろん人の身体でいう “体調” の部分である “耐久性” や “機能” にも大きく関わってくる。自画自賛であるが、いつも自社の建築現場では基礎の配筋や構造の美しさにみとれている。WEBデザインやグラフィックにおいてもその表面の下層にある “骨” とも呼べる制作過程における “正確さ” や “誠実さ” は非常に重要である。
表面にばかりとらわれ、その下にある本質に目を向けることを忘れていたツケが少なからずとも今の時代に反映しているのではないか。そのような意味でも今こそモノ・コトの本質である“骨”を考えることをして欲しい。

 “「骨」展” は生物の骨を見ることで神の創造物である絶対的な真理の “骨” を思い知り、現存するプロダクトの骨を見ることで今の我々を取り巻く “骨” を確認でき、テクノロジーによるインタラクティブな骨に触れることで 今後の“骨” の大いなる可能性を期待させてくれる。
「骨のあるヤツ」「バックボーン」などという言葉では “骨” の大切さを教えてくれる。上っ面であるフォルムばかりにとらわれず、本質ともいえる “骨“ に目を向け “本物” を見極めることで “よいモノ” に出会うことができるばかりか、 “よい人間関係” もつくることができる。天下国家に至るまで “骨” によって左右される、といっても過言ではないように思う。長々とうんちくを垂れてしまったが、 “「骨」展” そんなこんなを考えさせてくれる有意義なインスタレーションである。エンジニアはもちろんデザインに関わる者からそうでない者、また大人から子供までもが楽しみ、学ぶことのできるアミューズメントな要素をも備えた秀逸な展示であった。

皆さまにもぜひぜひ足を運んでいただきたいと思う展覧会でした。

Aceto Balsamico Tradizionale di Modena, Acetaia del Cristo, min. 12 år, 100 ml.


先日、お世話になっている方からバルサミコをいただきました。本国に住む友人からのお土産だそうです。
バルサミコは結構お気に入りでトマト+ルッコラ+モッツァレラチーズの組み合わせをバルサミコとオリーブオイルでいただくことが多いのですが・・・(決して気取ったものではなく、それを箸でガツガツと食らうのです(笑))その日頃いただいているバルサミコはそのへんのスーパーなんかで売っている1,000円やそこらのもの。・・・で、先日いただいたそのバルサミコは立派な箱に詰められ、あけるとなんか由緒由々しき小瓶に詰められ、豪華なブックレットまで同梱されているじゃあーりませんか!?「ほー」とばかりに不慣れな手つきでそのしっかりと封のされたコルクの栓を抜き、香りをたしかめると・・・なにやらタダものではない芳醇な酢の香り。日頃使っているバルサミコとは濃度も違いあきらかに別物。トロリと数滴スプーンに落とし舐めてみると・・・「おー!」と思わず声が出るほど。ウマすぎです。酢の概念を通り越し甘みとコクそして深い香り…よい食材(大抵“高級食材”となってしまうのですが…)を口にしたときにいつも感じるのですが、身体に浸み込んでゆくのがわかる…そんな感覚をおぼえるのです。このバルサミコも例外ではなく、口にした瞬間身体中に浸みわたり身体が喜んでいる。…そんな感覚にとらわれました。テンションの上がってしまった私はこいつの正体を知りたくなり、早速WEBで調べてみることに…。
“アチェト バルサミコ トラディツィオナーレ ディ モデナ”…はい、やはりタダものではありませんでした。フェラーリ、パバロッティに並ぶ、モデナ3代名物の1つで、これこそが“バルサミコ”だったのです。日頃いただいているバルサミコはこの“トラディショナル バルサミコ”を安価で楽しめるように模してつくられたものだったのです。

では、ここで調べたバルサミコの知識をざっと…。
バルサミコヴィネガーはぶどうだけから作られます。ぶどうの品質、バッテリアスと呼ばれる木樽での熟成方法、瓶詰めの仕方までが法律によって定められています。“トラディショナル”という名前を冠して販売するには最低でも熟成に12年の歳月をかけなければなりません。熟成させては樽を入れ替える作業を最低でも12年続け、、生産者協会の厳しいテストをクリアしなければなりません。ぶどうの品種、樽の移し替え、酸度、糖度など90項目以上の厳しいテストに合格してはじめて“Tradizionale”と呼ばれる権利を手にできます。
トラディショナルと認可されたヴィネガーは、協会によって瓶詰めにされそしてラベル貼り、密閉、ナンバー付けが行われます。ビンは番号順に登録され、登録簿にはそれぞれのバルサミコの歴史が記されています。生産者協会に現在25社が加盟しているようですが、協会は、各協会員の生産可能な量や過去の生産量を把握しています。協会員は登録した以上の量を販売することはできません。”トラディショナル”とはそれほどにまで厳しく管理されているのです。25年以上熟成させたバルサミコにはトラディショナルの上に“extra vecchio”という言葉をつけることができます。

価格も驚き…です。一瞬にして虜になってしまった私にとってはとてもツライ情報です。(T - T)

“おそるべしイタリア”です。かねがねイタリアのモノづくりにはとても興味をもっており、近い将来その地へ出向かなければならないと思っていたのですが…いやーまいった。まいりました。改めてイタリアのモノづくりのスゴさに感動をせずにはいられないほどのものでした。
“ソレ”を食べるだけで、今すぐにでも現地へ出向きその真髄を目の当たりにしてみたい。…いったい、どんな人たちがどんな環境の中、どんな想いでコレをつくっているのか知りたい。…そんな、衝動に駆られる。“ソレ”ってすごいと思いませんか。

私は“本物”に出会ったとき、いいようのない熱い想いが込上げ涙さえ出そうになります。「これこそが“モノづくり”なんだ」と、感謝に似た気持ちにさせられるのです。今の時代、忘れられかけようとしているモノづくりのあるべき姿が、今も世界のあちこちに少なからず残っています。私はそれに出会えたとき、嬉しいのです。ありがたいのです。

時代とともにモノづくりのあり方が変わってゆくのは仕方のないことかもしれません。しかし、モノを創り出す者は、そんな時代の中にあっても“誇り”だけは忘れないでほしいものです。

自邸の新築現場で。


自邸の新築現場で・・・。
代々受け継がれてきた建物を取り壊し、そこへ新しい住まいを建てるケースがある。解体される建物は人の人生ほど、またはそれ以上の時を経て、役目を全うし取り壊される。
今まで多くの建築現場に携わってきたが、 建物が解体される様はいつも感慨深いものがある。 今まで施主が住まいしてきた建物を解体する際、その建物の主は複雑な心境で、その取り壊される様を 見守る・・・。
いくつもの時を経て、また幾世代の人生を包み 見守ってきた建物が取り壊される時、必ずといってよいくらい、その建物の主は涙する。
おそらくは、今までそこで過ごしてきた時を 今までの様々な出来事のその時々の様々な思いが 壊されてゆくその瞬間に走馬灯のように 思い返され・・・その時々の自分達を包み、見守って くれた、その建物との決別の時を切なく感極まる涙なのだろう。
次へ進むため、その役目を終えた建物との決別の時・・・ 新しい建物を創るという事への歓びと 古い建物との決別の切なさ・・・。
建物は人が、そこへ入ることで建物となる。 建築物とは単なる「入れ物」にしか過ぎない。 住宅、事務所、商業施設等にかかわらず人が入る事で、 その建物は創られた目的を果たす事出来る。 肉体に魂があってこその「人」であるように、 建物も、そこで生活する人々が入ってこそ建物となる。
建築人はその事をよく肝に銘じて建物を創らなければならない。 肉体が魂に作用し、またその逆もあるように 建物は、そこに集う人の人生に作用する・・・と言っても 決して過言ではない。 設計にしろデザインにしろ、工事内容にしろ・・・ なにひとつおろそかにしてはならない。 そこに住む人のこれからの「あり方」に大きく影響を及ぼす。
住宅であれ店舗であれ会社であれ、そこでは「人の人生」というドラマがあり、 いくつもの「育み」がある。 その「育み」の起点である、その場所を創るという事は どれほどに責任の大きな事か。建築人は肝に銘じなければならない。
もちろん「経済的」な大きさも肝に銘じてほしい。。 建築での一千万円という単位の価値は非常に小さく見られて いるように思えてならない。 「金」としての一千万円ではなく「建築」としての一千万円は 残念ながら、あまり重く感じられていない。一千万円や二千万円という住宅を取得するため 一生懸かりで長期のローンを返済するため、身を粉にして 働いている人も少なくない・・・ということも 建築人は認識してほしい。
家を建てる時、 主はどんな気持ちで建てるか。それはとても大切なことである・・・と思う。
目に見えるものではないが、過去からの想いとこの場所でこれから育まれる想い。その「想い」という愛のエネルギーが具現化する。 そんな想いのつまった、その自邸は確実に「よい住まい」となる。 そして、そこに住まう人のこれからもよいものとなる、と 確信する。
ある現場で100余年経った既存の建物を解体した時、 屋根裏から立派なごろんぼ(梁)が現れた。 私はどうしてもそれを捨てることができず、その梁だけは業者に無理を いって持ち帰ることにした・・・。

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RE-LAX DESIGN WORKS ホームページがリニューアルオープンしました! 伴い、当社代表タクビのブログ“RE-LUXE・DELUXE”もスタートいたします。
私、タクビがデザイン中毒な日々をリラックスにデラックスに綴ってまいります。


当社のメインワークである建築の裏話やデザイン・モノづくりにまつわるあれこれ。 私個人の独断と偏見に満ちた戯言などなど・・・。
どうかよろしくお願いします♪
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